シャイン・テクノロジーズの特徴

新エネルギー

シャイン・テクノロジーズ社は有望な核融合スタートアップの一つで、調達した資金は2023年時点で5億7700万ドルに達しています。

世界における核融合スタートアップの状況(エネルギー情報サイト 2025年1月2日)

ただし、シャイン・テクノロジーズ社はいわゆるエネルギー(電気)を生み出すためではなく、医療用途向けの放射性同位体の製造に核融合技術を利用するようです。

シャイン、フェニックスの合併で核融合技術の前進に焦点を当てる(businesswire 2021年4月22日)

シャインのクリーンエネルギー生産に向けた4段階

第1段階:高度な産業用イメージング – 中性子を使用して詳細なイメージングを行い、航空宇宙、防衛、エネルギー、その他の産業の製品の質と安全性を向上させる。
第2段階:医療用アイソトープ(小規模核変換) – 核融合技術を使用して、心臓病、がん、さまざまな疾患を診断・治療する医療用アイソトープを作成する。
第3段階:核廃棄物のリサイクル(大規模核変換) – 第2段階の処理・核融合技術を拡張して核廃棄物をリサイクルする。
第4段階:核融合エネルギー – 核融合を技術的・商業的に実行可能な世界的エネルギー源として確立する。

核融合技術を用いて、モリブデン-99やルテチウム-177などの製造を現在の原子炉から核融合炉に置き換えていくとしています。

テック大手、次世代原子力に投資機運 数十億ドル規模に(日本経済新聞 2025年2月17日)

米シャイン・テクノロジーズ(SHINE Technologies)はこのトレンドを主導し、核融合技術を使って医療用放射性同位体を製造している。同社の施設「クリサリス(Chrysalis)」は核融合関連技術の実用性を実証するほか、年間数百万件の医療診断に使われる重要な放射性同位体「モリブデン99(Mo-99)」の世界の需要の3分の1以上を満たすと期待されている。

クリサリス(Chrysalis)については、2024年にCEOが2年後には稼働すると述べています。クリサリスが稼働すれば、医療用アイソトープの世界最大の製造者になるとしています。

Shine CEO: Chrysalis to be world’s largest medical isotope producer(AuntMinnie.com 2024年7月3日)

Greg Piefer, PhD, founder and CEO of Janesville, WI, fusion technology company Shine Technologies, says the company is about two years away from launching a new facility called Chrysalis, which is poised to become the world’s largest producer of medical isotopes.

また、クリサリスを用いたモリブデン-99の製造に向けてDOEからも3200万ドルの補助金を受け取っています。クリサリスはウィスコンシン州のジェーンズビルに建設されており、モリブデン-99の安定供給源になることが期待されています。世界需要の1/3を満たす製造能力を持つようになるとのことです。

SHINE Technologies Awarded $32M by DOE/NNSA to Support Production of Molybdenum-99(PR Newswire 2024年7月17日)

The funds from the DOE/NNSA will aid in the ongoing construction of Chrysalis, SHINE’s large-scale, medical isotope facility in Janesville, Wisconsin. Upon its completion, Chrysalis will provide a sustainable, reliable source of Mo-99 for the U.S. and satisfy more than one-third of the world’s demand.

核融合で医療用アイソトープを作るような利用法もあったのですね。
今後の展開が楽しみです。

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