日本における地熱発電の発電量シェアは2023年度時点で0.35%にしか過ぎません。
一方、日本は火山大国であり、地熱発電のポテンシャルは高いと言われています。
発電方式は複数ありますが、最も一般的なフラッシュ式発電であり、地熱流体中の蒸気で直接タービンを回します。フラッシュ発電方式は大きく「シングルフラッシュ(SF)」と「ダブルフラッシュ(DF)」に分けられます。
シングルフラッシュ(SF):セパレータ(気水分離器)で地熱流体を蒸気と熱水に分け、蒸気でタービンを回転させて発電する方式
ダブルフラッシュ(DF):セパレータで分離した熱水をフラッシャー(減圧器)に導入して低圧の蒸気をさらに取り出し、高圧蒸気と低圧蒸気の両方でタービンを回して発電する方式
2025年3月現在における日本国内の地熱発電容量別ランキングは以下の通りです。
Table 日本の地熱発電所ランキング(2025年3月現在)
順位 | 県 | 都市 | 発電所 | 発電会社 | 方式 | 容量 (kW) | 運転開始日 |
1 | 大分県 | 九重町 | 八丁原発電所 | 九州電力 | DF | 112000 | 1977年(1号機)、1990年(2号機)、2006年(3号機) |
2 | 岩手県 | 雫石町 | 葛根田地熱発電所 | 東北電力 | SF | 80000 | 1978年(1号機)、1996年(2号機) |
3 | 秋田県 | 鹿角市 | 澄川地熱発電所 | 東北電力 | SF | 50000 | 1995年 |
4 | 秋田県 | 湯沢市 | 山葵沢地熱発電所 | 電源開発 | DF | 46199 | 2019年 |
5 | 福島県 | 柳津町 | 柳津西山地熱発電所 | 東北電力 | SF | 30000 | 1995年 |
6 | 鹿児島県 | 指宿市 | 山川発電所 | 九州電力 | SF | 30000 | 1995年 |
7 | 鹿児島県 | 霧島市 | 大霧発電所 | 九州電力 | SF | 30000 | 1996年 |
8 | 秋田県 | 湯沢市 | 上の岱地熱発電所 | 東北電力 | SF | 28800 | 1994年 |
9 | 大分県 | 九重町 | 滝上発電所 | 九州電力 | SF | 27500 | 1996年 |
10 | 北海道 | 森町 | 森発電所 | 北海道電力 | DF | 25000 | 1982年 |
火山(温泉)の多い九州や東北に多く設置されていることがわかります。トップ10の中で最も新しい発電所が2019年であり、2000年以前の発電所が大半なのが少々気になります。
ポテンシャルのある再エネですので、今後の発展が期待されます。