蓄電池の基礎知識

蓄電・蓄熱

再エネやEVで重要となる蓄電池の基礎知識をまとめました。

一般的に利用される蓄電池は以下の種類があります。

  1. 鉛蓄電池
  2. ニッケル水素電池
  3. リチウムイオン電池
  4. ナトリウム・硫黄(NAS)電池
  5. レドックスフロー電池

鉛蓄電池
正極と負極に鉛及びその化合物、電解液として希硫酸を使用。

長所:低コスト、大きな起電力、鉛はリサイクル可能
短所:鉛は有害物質、重い
用途:自動車の始動用電池、太陽光発電システム

ニッケル水素電池
正極にはニッケル酸化物を、負極には水素吸蔵合金が用いられる。電解液はイオン導電性に優れた水酸化カリウムなどが用いられる。

長所:有害物質を含まない、長寿命
短所:エネルギー密度が低い、急速充電に対応していない
用途:自動車のバッテリー、携帯電話など小型電子機器

リチウムイオン電池
正極にはリチウムの遷移金属(コバルト、ニッケル、マンガンなど)酸化物やリン酸塩化合物、負極には炭素系材料等、電解液はリチウム塩、有機溶媒、および添加剤で構成されている。

長所:エネルギー密度が高い、急速充電に対応
短所:発火・発煙を起こす場合があり、サイクル寿命に制約があり
用途:電気自動車(EV)のバッテリー、スマートフォンのバッテリー(高容量)

ナトリウム・硫黄(NAS)電池
正極に硫黄、負極にナトリウム、両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを使用。

長所:高エネルギー密度、高効率、長期耐久性
短所:設備には高温(300℃以上)を維持する加熱装置が必要
用途:大規模な蓄電システム

レドックスフロー電池
電解液を循環させて充電、放電するしくみの蓄電池。電解液には硫酸バナジウム水溶液などが用いられている。電気を貯める物質の還元(reduction)と酸化(oxidation)、そして循環(flow)にちなんで、レドックスフロー電池(Redox Flow Battery、RFB)と名付けられた。

長所:極めて安全、長寿命、大容量
短所:高コスト、小型化が難しい
用途:まだ実用化に至っていない

【参考】
蓄電池とは?簡単に説明してみた!(古河電池)
鉛蓄電池(新電力ネット)
ニッケル水素電池とリチウムイオン電池の比較(大阪プラント株式会社 2023年5月29日)
二次電池について(2)(日本電気技術者協会)
バッテリーの基礎知識第2回 リチウムイオン電池の構造・仕組み・種類(古河電池)
リチウムイオン電池の電解液とは ~電池性能のキー要素、今後の開発と市場動向(うっかり八兵衛の電池漫談 2022年9月12日)
NAS電池とは(日本ガイシ)
NAS電池とは?メリット・デメリットを徹底解説!他の蓄電池との違いは?(CARBON MEDIA 2025年1月1日)
レドックスフロー電池とは(産総研マガジン 2024年3月27日)
レドックスフロー電池とは?メリット・デメリットや開発企業について解説(とくとくショップ 2023年5月25日)

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